健康は腸内環境から~潰瘍性大腸炎がおしえてくれたこと

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潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎:潰瘍性大腸炎の治療

潰瘍性大腸炎(UC)に対する外科治療の回腸嚢肛門(管)吻合術後には回腸嚢炎が術後10年で20~40%の頻度で発症します。
潰瘍性大腸炎(UC)の外科治療の標準術式は全大腸摘除・回腸嚢肛門(管)吻合です。
この全大腸摘除・回腸嚢肛門(管)吻合の長所は永久回腸ストマ作らずにすむという点にり、短所は短・長期合併症が永久回腸ストマよりも多いことにあります。
回腸嚢炎はその長期合併症の中で最も頻度が高くこの術式に特異的な合併症です。

潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎とは

全大腸摘除・回腸嚢肛門(管)吻合という術式は、大腸全部を摘出し、便の貯めるために回腸終末部を用いて回腸嚢をつくり、これを肛門と吻合します。この袋のことを回腸嚢いい、何らかの原因で回腸嚢に炎症が起こることを回腸嚢炎といい、炎症を起こす原因はわかっていません。
潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎は、潰瘍性大腸炎で多く、家族性大腸腺腫症では少ないことから潰瘍性大腸炎特有の合併症と考えらています。
とくに原発性硬化性胆管炎など腸管合併症を有する場合では高率だということがわかっています。
潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎の発症頻度に関してはさまざまな調査報告が発表されておりその結果はさまざまで10~70%の幅があり、その約半数は術後6カ月以内に発症するといわれています。

潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎の診断基準

回腸嚢炎の診断および重症度分類は、臨床症状、内視鏡所見、組織所見をもとに診断および重症度判定には回腸嚢炎活動指数(PDAI)や厚労省班会議診断基準などが用いられていました。
現在、潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成27年度改訂版の回腸嚢炎診断が用いられています。
【項目】
●臨床症状
1)排便回数の増加 2) 血便 3) 便意切迫または腹痛 4)発熱(37.8℃以上)
●内視鏡所見
・軽度:浮腫、顆粒状粘膜、血管透見像消失、軽度の発赤
・中等度:アフタ、びらん、小潰瘍、易出血性、膿性粘液
・重度:広範な潰瘍、多発性潰瘍#、びまん性発赤、自然出血
【診断基準】
少なくとも1つの臨床症状を伴い中等度以上の内視鏡所見を認める場合。
また、臨床症状に関わらず内視鏡的に重症の所見を認める場合は回腸嚢炎と診断する。
除外すべき疾患は、感染性腸炎(サルモネラ腸炎、キャンピロバクタ腸炎、腸結核などの細菌性腸炎、サイトメガロウィルス腸炎などのウィルス腸炎、寄生虫疾患)、縫合不全、骨盤内感染症、術後肛門機能不全、クローン病などがある。

潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎の治療

回腸嚢炎の治療は、抗菌薬が多くの症例で有効ですが、一部に難治例があります。
回腸囊炎の治療に用いれる抗菌薬の第一選択は、メトロニダゾールまたはシプロフロキサシンの2週間投与です。
慢性化し、抗菌薬が無効の場合は、ステロイドや5-ASAが使用されます。
最近は、抗TNF-α抗体も使用されています。

潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎の予後

潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎のほとんどが抗菌薬などの治療が有効ですが、一部に難治例があり、痔瘻や膣瘻を形成し、最終的に回腸嚢切除および回腸人工肛門造設術が必要となる症例もあります。
また、回腸嚢炎は長期間にわたる炎症後に異型上皮(前がん病変)や癌の発生の可能性も報告されています。
潰瘍性大腸炎(UC)術後の回腸嚢炎の早期発見のためにも内視鏡による定期的な検査が必要です。

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