健康は腸内環境から~潰瘍性大腸炎がおしえてくれたこと

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便微生物移植療法:潰瘍性大腸炎の治療

2015年2月22日に放送されたNHKスペシャルの『腸内フローラ~解明!驚異の細菌パワー』や健康番組で紹介されるようになった新しい治療法です。
NHKスペシャルの『腸内フローラ~解明!驚異の細菌パワー』では、腸内のディフィシル菌だけが異常繁殖し、全身に不調が出る病気であるクロストリジウム-ディフィシル(あるいはクロストリジウム-ディフィシル)感染症の患者に対し、急速に効果をあげている治療法として「便微生物移植」が紹介されました。

便微生物移植療法とは

便微生物移植療法とは、腸内細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)とも呼ばれ、健康な人の便を生理食塩水で希釈し、大腸内視鏡を用いて直接患者の腸内に希釈した便を注入する治療法です。
クロストリジウム・ディフィシル感染症、クローン病、潰瘍性大腸炎などの難治性炎症性腸疾患等に対して欧米を中心に最近行われている治療法です。
便微生物移植療法は、2013年にオランダのアムステルダムにある研究チームが抗生物質の効かない腸炎のクロストリジウム・ディフィシル感染症に対する治療法の研究として米国の世界的医学誌「New England Journal of Medicine(NEJM)」に便微生物移植療法の治療効果は90%以上であったと発表され注目を集めました。その後、他の調査・研究においても80~90%前後の有効率があることが確かめられました。
カナダのマクマスター大学の研究チームが潰瘍性大腸炎の患者に対する便微生物移植療法の研究がおこなわれました。

日本における便微生物移植療法

日本において便微生物移植療法に関する臨床試験は、2015年に慶応大学で初めて潰瘍性大腸炎の患者に対し行われました。
その後、順天堂大学て便微生物移植療法の臨床試験が開始されました。
また、潰瘍性大腸炎に対する抗生剤併用便移植療法」の臨床研究が始まっています。

便微生物移植療法の目的

腸内細菌叢の研究がすすみ、腸内細菌叢の乱れがさまざまな病気を招くことがわかってきました。
便微生物移植療法(便移植)は健常者(ドナー)から得た腸内細菌叢を含む 便を投与することで健康状態の腸内細菌叢を復元し、正常腸内細菌叢ににより腸内環境を改善することで疾患を治療することを目的としています。

便微生物移植療法の適応

日本において、便微生物移植療法の適応は、それぞれの医療施設で異なりますが、
①クロストリジウム・ディフィシル感染症
②難治性便秘
③炎症性腸症候群
④潰瘍性大腸炎
⑤クローン病
が日本で実施されています。
外国においては、難治性炎症性腸疾患、クローン病、糖尿病、多発性硬化症、パーキンソン病、自閉症、メタボリック症候群などに対してもおこなわれており、日本においても将来において期待されています。

便微生物移植療法のドナーの適応

日本において、便微生物移植療法のドナーの適応は、
①20歳以上
②患者の二親等以内の親戚や配偶者
③感染症などさまざまなスクリーニング検査において問題がない
を満たすものとされています。

便微生物移植療法の研究・実施施設

日本において便微生物移植療法の臨床実験・治療を実施している施設は、
・慶応慶応義塾大学医学部
・順天堂大学医学部付属順天堂医院
・千葉大学医学部付属病院
・国立成育医療研究センター
・滋賀医科大学医学部付属病院消化器内科
・藤田保健衛生大学病院
・京都健康クリニック

便微生物移植療法の方法

便微生物移植療法の方法は、それぞれの医療施設で異なりますが、一般的は方法は以下のようなものです。
①詳しい問診と便微生物移植療法についての説明を受ける。
②術前検査
②ドナーから便を採取(便移植条件を満たし、スクリーニング検査で異常のない方の便)
③生理食塩水で希釈
④希釈した便をフィルターで濾過
⑤濾過した便汁を大腸内視鏡を使用し、チューブを用いて大腸に注入
⑥定期的に診察を受け経過観察が行われます。
*治療に必要な腸内細菌を便から単離・培養し、カプセルに詰め利用する「腸内細菌カクテル」の研究も進んでいます。

便微生物移植療法の副作用

便備瀬物移植療法の重い副作用の報告はないとされています。
だだし、便微生物移植後に体重が増加し、肥満となった女性の報告がありますが関係性についてははっきりしていないようです。

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