健康は腸内環境から~潰瘍性大腸炎がおしえてくれたこと


便秘とは:消化器の症状

便秘とは、一般的に便の量、排便の回数が少なく、便中の水分量が減少して便の硬さが増し、排便が順調に行われない状態のことをいいます。しかし、排便習慣や症状の程度、排便回数や排便量は個人差があり、便秘の明確な定義てありません。
すなわち、何日排便がないと便秘ということではなく、本人が便が硬くて排便時にが苦痛を感じる、残便感がありすっきりしない、お腹が張って苦痛や不快感がある、腹痛がある、薬を飲まないと便が出ないなど排便に不快や苦痛を感じのであれば便秘であるといえ、便秘状態によって何らかの症状があったり、本人が便秘状態の改善を望んで受診しなければ治療の対象とはなりません。

便秘のさまざまな機関の定義

●日本内科学会:3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態を便秘という。
●日本消化器病学会:通常1日1回の排便があるが、便秘症では排便が数日に1回程度に減少し、排便間隔が不規則で便の水分含有量が低下している状態(硬便)を指しますが明確な定義があるわけではありません。問題となるのは排便困難や腹部膨満感などの症状を伴う便通異常=「便秘症」です。

便と排便

排便のメカニズム

口から入った食べ物は4~5時間から12~15時間後には大腸に到達し、24~72時間後には排泄されます。
口から入った食物は、口腔→咽頭→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→結腸→直腸)の消化管を通って肛門から便として排泄されます。
一連の消化管の中を食物が通過する間、口腔で食物を噛みくだかれ、異で内容物を攪拌され、食物を砕いて溶液状あるいはかゆ状にされまます。さらに、各器官から分泌される消化液中の酵素のはたらきによって栄養素は消化されます。
小腸で消化された栄養素と水分はで吸収され、ドロドロの栄養素の残りかすや食物繊維、水分が大腸に送り込まれてきます。
液状の状態で運ばれてきた食べ物の残りかすが大腸では水分が吸収されて次第に便が形成され、腸内細菌によって小腸で消化できなかったものを分解・吸収され、残りが便として形成されます。
上行結腸では液状便→横行結腸では泥状便→下行結腸では半固形便→S状結腸では固形便と徐々に便が形成されます。
下行結腸やS字結腸が糞便によって伸縮すると腸の蠕動運動が活発になり、便やガスが直腸に移動します。直腸が便やガスによって伸展すると反射的に内肛門括約筋が弛緩し、ほぼ同時に外肛門括約筋が収縮して肛門を締め、便やガスが漏れないようにします。
便座に座り直腸の内圧が高まると反射的に肛門括約筋が弛緩して糞便やガスが体外に排出されます。排便が終了すると内肛門括約筋が収縮して肛門が再び閉じられます。
この一連の流れは排便反射といいます。

正常な便とは

便は食生活、生活習慣、運動、ストレスなどの影響を受けて変化するため、正常な便と定義することは難しいとされます。
●正常な便の回数…一般的に正常な排便の回数は3日に1回から1日に3回までといわれ、1日に3回から1週3回程度の回数なら正常範囲内だとされています。
●正常な便の量…便の量は食事の内容や量によりかなり異なり、食物線維を多く摂取する人は便の量が多いとされ、一日の便の量は平均100~200gとされます。
●正常な便の硬さ…健康な人の便の硬さはやわらかなバナナ状または半練り状でさほど力まずに排便できるものです。
●正常な便の色…便の色は便の大腸通過時間により異なり、正常な便の色は黄土食とされ、腸内停滞時間が短いほど明るい黄色で、遅延するとこげ茶になります。
●正常な便の臭い…健康な人の便は不快を感じるほどの臭いはなく、ほぼ無臭といわれます。便の臭いは食生活や腸内細菌叢の乱れにより、腸内の悪玉菌が増えるとタンパク質を分解し、アンモニア、硫化水素、アミン、インドールなどの腐敗物質が増えると悪臭となります。

大腸の便通過時間と便の水分含有量による性状

便の形状の変化は大腸のどの場所にあるか、また便が大腸の通過時間に関係しています。
口から入った食べ物は4~5時間から12~15時間後には大腸に到達し、徐々に水分が吸収され24~72時間後には排泄されます。
具体的には、5時間後に小腸から上行結腸到達しこのときは液状便→8~9時間後に横行結腸では泥状便→12時間後に下行結腸では半固形便→18時間後にS状結腸では固形便と徐々に便が形成さ、24~72時間後に直腸、便が排泄されます。
消化管の中には約9ℓの水分があり、さらに毎日約2Lの水分を摂取しています。食事などで取り込んだ水分は消化管から9ℓが吸収され、逆に消化管内へ7ℓ(唾液1.5ℓ、胃液2ℓ、胆汁0.5ℓ、膵液1.5ℓ、腸液1.5ℓ)が分泌され、便に出て行くのはわずか0.1~0.2ℓです。
普通便の場合は、便中水分量は150~200mlで普通便の分量の約70~80%、便中の水分量が80~90%になると軟便となり、水分量が90%を超えると水様便になり、逆に60%を下回るとコロコロとした便(硬くてころころした兎糞便)となります。硬い便(ソーセージ状であるが硬い便)、やや硬い便(表面にひび割れのある硬い便)

ブリストルスケールによる便の分類

便の指標となるイギリスのブリストル大学で開発された便の基準「ブリストルスケール」というものがあります。
ブリストルスケール

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